福峯静香さん

Vol1 障がいを持つ子との出会い

VOL.1
障がいを持つ子との出会い

ひろみ/さて、ミキオさん。毎週、すてきなゲストの方をお迎えしているんですが、今週のゲストの方は、大変大きな仕事をされている方で、「NPO法人療育ファミリーサポートほほえみ」、理事長の福峯静香(ふくみねしずか)さんにお越しいただいています。福峯さん、よろしくお願いいたします。

福峯/よろしくお願いします。

ひろみ/はい。ちょっと緊張されてます?

福峯/はい、緊張しています。

ひろみ/しますよね。

現在の福峯さんの活動について、ちょっと御紹介していただいていいですか。

福峯/はい。障がい児のファミリーサポートっていうことで、主に医療的なケアを必要とする重度なお子さんのファミリーサポートをさせてもらっています。
見守りだったり、送迎だったり、病院とかで付き添いを、お母さんたちにかわってやったりとか、そういったサポートを、有償ボランティアという形でさせてもらっています。

ひろみ/大変な活動をされていらっしゃいますね。

ミキオ/そうなんです。障がい児の皆さんをサポートするというのは、ものすごく、お父さん、お母さんにとっても大事なんで。長いじゃないですか、人生。長くサポートしなきゃいけないので。どこかでお父さん、お母さんも休みがないと、ある意味、健全なサポートができないというようなことになりますから。ショートステイとか、見守りサポートとか、いろんなことおやりになっていますから、ものすごく、お父さん、お母さんにとって大事かなという感じがしますね。

ひろみ/この現状を、私もよく知らなかったんですけど、沖縄ではどうなんでしょうか。多いんですか、そういうサポートを必要とされている方は。

福峯/そうですね。沖縄は、子どもの赤ちゃんの死亡率が一番低い県になるんですけど、低いということは、亡くなってしまうようなお子さんであっても、医療の力で生存して、また地域に戻っていくっていう数も多いということになってくるんですけど、それだけ重度な障がいを持ちながらも、おうちで介護を受けながら育っていく子どもたちっていうのが、とてもたくさんいます。

ひろみ/そうなんですか。

ミキオ/僕の思い出話していいですか。
僕、大学出てきて、親父の会社で仕事をすることになったんです。私は、技術屋でもなんでもないもんですから。親父が建設会社やってたんで。現場に行けと。現場を知らなきゃだめだと言って、私が最初に行ったのが、那覇養護学校だったんです。
那覇養護学校に行ったら、帰ってきたばっかりだから、元気もあるし、仕事終わることの楽しみは、飲みに行くことという…そういう人生観で生きていた。

ひろみ/若いときですからね。

ミキオ/だから、現場終わって、5時ごろ終わって、そのまま作業服のまま飲みに行くみたいな、そういうふうな感じの生き方していたんですよ。
だいたい遅くまで飲んで、朝7時半からラジオ体操始まっちゃうから現れるんですけど、まともじゃないわけですよね。だって、夜中まで酒飲んでいるんだから。
そうすると、この整肢療護園から那覇養護学校に、わぁーって、子どもたちが車いすで通うんですよね。明るく、朝、どーっと通うんですけど、この光景を見てて、ものすごく感動したんですね。
こうやって、自分の思いとは別に、ちょっと不自由な人生というか、それを乗り越えて頑張って明るく、車いすで行く姿を見て、これはまずいと、俺の人生このままじゃ終わっちゃうというふうに思って、それから、やっぱり考え直しましたね。
ずっと、その子どもたちと会ったら、元気づけられる。これがもう、ものすごくなっていて。
あれが、僕が政治家になった、1つのきっかけになったのかもしれないなという感じがしますね。
まだ、しゃべっていいですか。

ひろみ/大丈夫です。

ミキオ/ははは。今度、福峯さんの話、聞かなきゃいけない。ただ、すぐ終わりますけど、もうしゃべりませんから。(笑)
そして、政務次官になったんです。政務次官になって、那覇養護学校の高等部っていうのができあがって、それの落成式に誰が行くのかという話に、役所でなったものですから。この落成式はあんまり大きなものじゃありませんから、課長が行きましょうねという話になったから、ちょっと待った、とか言って。これは僕が行く、と言って。思い出があるから。これは僕が行くとか言って、僕が行ったんです。そこに行って、私が行くというので、県知事の太田さんが出てきて、一緒になってあいさつしたら、向こうで、私がいつももあい仲間の方がいらっしゃるんですよね。あれ、と言ったら、いや自分の子どもは障がい児で、ここでお世話になってるんですよ、と言って。ちょこっとミキオさん見てくださいって、整肢療護園の中を見たら、こんなに古くなっているんですよ、というふうなことをおっしゃったもんだから、これはそうだね、と。これは古すぎるし、子どもたちにとって環境よくないとか言って、厚生労働省に戻って、これ作り替えろとか言って、一生懸命やって作り替えたっていう経過があったんです。

で、そのときに、このお父さんが、ものすごくいい話をするんです。うちの娘は社会に貢献している、と言うんです。社会に貢献しているというのは、こうやって、必ず外に出すんだと。車いすで歩いている姿を見て、こういう不自由な子どもたちが頑張っている姿を見て、自分も頑張らなきゃなと思ってくれるという子どもが1人でも出ることが、社会に貢献できるんだ、と。みんな、障がいを持ったら、みんなでサポートできるかって言うんだけども、貢献もできるんだよ、という話を僕にしてくれたので、すごい話だなと。あのときほど感動したことはありませんでしたね。

ひろみ/そういう影響力っていうか、パワーはあるんですよね。

ミキオ/ありますね。だから、あの子どもたちのパワーをサポートする人が、福峯さんなんかが、表にどんどん出していくと、おもしろくなるかもしれませんね。
はい、終わります。

ひろみ/実際、ミキオさんもこうやって体験があるという…みんな、人それぞれ体験はあると思うんですが、福峯さんはこういうの、きっかけはなんだったんですか?

福峯/きっかけは、私の産んだ長男も、重度の障がいを持っていて、2歳前に亡くなってしまったんですけど、それがきっかけで。ミキオさんがおっしゃるように、私も、自分がそういう子どもを産むまでは、そういう子どもと接したことがなくて、私もともと看護師なんですけど、そういう障がい児って呼ばれる子どもたちの関わりは、それまでほとんどなくって、自分の子どもが障がいを持って生まれて、医療…さっき言ったように、亡くなりそうな子どもであっても、医療の力でどうにか助けて、地域に返していくという医療の現場を目の当たりにしつつ、そういう子どもたち、自分の子どもも含めて、周りの子どもたちも接する中で、本当にこの子たちすごいなっていう。なかなか言葉でうまく表現できないんですけど、触れあって接していると、それだけで生きているということがありがたいということであったり。精一杯頑張っているつもりでいたものが、いやいや、まだ頑張れるだろう、もっとやれるだろうという、そういう力(ちから)を、この子たちがくれるので、私も、自分の子どもが亡くなったあとにも、そういった子どもたちと関わっていたいという気持ちと、あとは、お母さんたちの大変さっていうのを、身をもって感じた部分があるので、そこをサポートできればなと思って始めました。

ひろみ/すばらしいですね。

ミキオ/すばらしいですね。
例えば今、具体的にはどういう感じの見守りサポートっていうのは、どういう感じになるんですか。

福峯/実は、中南部で主に活動しているんですけど、私たち当初、活動始めたときは、本当サポートの依頼って、たくさんあって、やってきてたんですけど、今はだんだんそれが減ってきているんですよ。
というのも、立ち上げた当初は、訪問介護事業所も、訪問介護、ヘルパーさんとかも、あと児童デイとか、そういった社会資源が全くない状態で、私たちやり始めたので、そういった部分を補う形でサポートをたくさんしていたんですけど、今は、そういったものがたくさんできてきて、サポート自体はすごく減っているんですね。
でも、どうしてもって言って、サポートを引き受ける…多いのっていうのが、兄弟の…障がいを持っている子の兄弟の学校の行事、運動会であったり、発表会であったり、そういったときに預かってくれる、見守りしてくれるサポートが、支援が足りなくて、引き受けるんですけど。
お母さんたち、本当はでも、2、3時間預かりというよりも、一晩預かってくれる、さっきミキオさんが言っていたショートステイが、本当は一番足りないところではあるんですけど、そこまではちょっと、私たちも一晩預かるっていうのは、ちょっと厳しくて、2、3時間、数時間が限度…。

ミキオ/ショートステイの場合には、やっぱり、お2人必要ですか?

福峯/2人っていうよりも、バックアップの体制というか、何かあったときに、どうするかっていう対応が、きちんと…。

ミキオ/システムが。

福峯/はい。…整っていないと、預かれないっていうところで。やっぱり、大きな…さっき話に出ていた整肢療護園であったりとか、そういったところには、お母さんたちも安心して預けられるんですけど、小さな事業所だとそこが不安で、なかなか、預かるほうも、預ける側も不安があってというところが…。

ミキオ/そうですね、体制が大事なんですね。ちょっと体調が変わったりすると、整肢療護園に電話したら先生が応対してくれるとか、看護婦さんが来てくれるとか。そういうふうな福峯さんなんかとの連携がきちんと取れていると、ショートステイができると。

福峯/そうですね。

ミキオ/これはいい提案ですね。

福峯/なかなか、医療型っていう、そういう施設は数が限られているし、ベッド数も限られていてっていうところで…少ないです。

ミキオ/これから、やっぱり整肢療護園なんかも、この分野ものすごく大事だと思いますね。だから、デイケアみたいな感じの、そういうふうなやり方も、これからいっぱい出てくると思ってますし。ショートステイなんかを、連れてきて預かるというんじゃなくて、家でショートステイをやって、それでサポートするみたいな…。

これはしかし、僕は必要な仕組みだと思いますね。ちょっと勉強になりますね。

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