下地ミキオのメールビジョン “聖域を破壊した軽減税率”

┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│下│地│ミ│キ│オ|の|メ|ー|ル|ビ|ジ|ョ|ン|
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
≫≫≫ http://www.mikio.gr.jp
2015年12月15日号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

聖域を破壊した軽減税率

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「日本の税制度が選挙協力とのバーター論になった時、この
国の財政再建は不可能になる」

これが戦後の政治の税に対する基本的な考え方でありました。

自民党税制調査会には、「総理官邸からも、政府税制調査会
からも、経済界からも話は聞く。しかし、税制を最終的に決
めるのは自民党税制調査会だ」と言わしめてきた「力」があ
りました。

税の神様・山中貞則自民党税制調査会会長は、「税は崇高な
思いで、国民のために決める。だから、税は絶対的な聖域で
あり、政治家の選挙のために駆け引きしてはいけない」と言
い続けてきました。

税は未来を見つめて制度設計をしなければなりません。

そのためには3つの絶対に譲れない事柄があります。

1つ目は「税は絶対に平等でなければならない」

2つ目は「税は絶対に納税者の減少というリスクをイメージ
しながら制度をつくらなければならない」

3つ目は「税は絶対に日本経済がグローバル化することを想
定しなければならない」

だからこそ、これまで三大税制といわれてきた「所得税・
法人税・酒税」に頼るだけではだめだという政治判断の下に、
根本を見直すという意味で「消費税」へと大きく転換すること
になりました。

平成元年の「消費税」創設の際は、国民から厳しい評価を
いただく中で、本当に生みの苦しみを味わいながらの成立
でありました。

しかもその時には、当時の自民党税制調査会長であった山
中貞則先生が50年のキャリアの中でただ一度落選するとい
う厳しい結果を予測しながらも、国民の未来のために導入
したのです。

税制度を決定する政治家は、本当に難しい自らの政治・選
挙環境を乗り越えて、野心を持たず、国民に寄り添い、聖
域の中で決めなければならないのです。

消費税は平成元年に3%の税率で導入され、平成9年に5%へ見
直され、平成25年に8%となり、そして再来年4月には10%と
なります。

3%から5%へ見直す時には、「目的税化せず、一般財源」と
しました。

しかし今回の、5%から8%へ見直しの際には、「増税分を年
金・医療・介護・子育ての福祉4分野に充てる」と決め、福
祉国家・日本と財政再建を両立させることにいたしました。

その時の三党合意(自民・民主・公明)段階においては、
軽減税率は十分な協議はせず、政権交代選挙時の自民・公
明二党間の選挙協力合意で決まったのです。

つまり三党合意の原点が無視され、自民・公明両党による
選挙協力から生まれた政治決着は国民視点の税制度ではな
いということを、私たちは理解すべきです。

「500円弁当の軽減税率2%は10円」です。

スーパーでは午後3時を過ぎると弁当は半額になり、午後8
時を過ぎると生鮮食品も50%オフ、これが市場の現実であり、
2%の軽減税率は意味を持ちにくいものになるのです。

それならば、初めから8%に留めておくことのほうが、税制
の体系としてはわかり易いものになるのではないでしょう
か。

今日の日経新聞の解説記事で、「軽減税率決定までの自民
党・官邸内の様々な思惑」がリークされておりました。

その記事の最後に、麻生財務大臣の「菅官房長官は範囲を
超えた」という言葉があり、そのことが今の自民党と官邸
との「力」バランスを物語っています。

「公明党・創価学会 選挙協力恐るべしか」、「安倍総理
憲法改正への執念恐るべしか」、どちらでしょうか。

衆議院議員
下地ミキオ