日本新エネルギー政策の黎明期(イスラエル・ブラジル・デンマーク視察シリーズ 第10回)

(2018年8月16日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

このレポートが、イスラエル・ブラジル・デンマーク視察の報告10枚目で、ついに最終回となります。

前回お伝えしましたように、デンマークは政治と行政の方針に基づいて、民間企業が大きな役割を果たしております。

今回はその動きについて、バイオガスのSOLROD社と、洋上風力発電のOrsted社について報告いたしますが、いかに自然エネルギーの民間活力が経済を引っ張っているかがお分かりいただけると思います。

最初の訪問先であるバイオガスのSOLROD社は、食品残さ、食品加工時の廃棄物、海藻、家畜のふん尿の4つをリサイクル資源としてバイオガスをつくり出しております。

この4つの資源を効率よく集める仕組みをつくり、ガスの成分を安定したものにするために配合を研究し、バイオガスと肥料をつくり出しております。

バイオガスに関しては、4つの仕組みがあり、1つ目は、ガスそのものの粒子構造を天然ガスと同じにしてガスの供給を図る。

2つ目は、ガスそのものを6km先の発電所に送って発電を行い、残ったガスで熱供給を行う。

3つ目は、肥料をつくりながら熱を循環させて、工場内で再利用する。

4つ目は、このガスを圧縮し、プロパンガスとして応用可能であることがわかりました。

この食品残さをはじめとするバイオガスの資源は、本当に環境に優しいものであり、大きなエネルギーをつくり出すという意味においては、このバイオガスの活用もわが国においては積極的に行うべきものだと感じました。

洋上風力発電のOrsted社は、本当に興味をそそられるレクチャーをしていただきました。

Orsted社は、洋上風力発電では世界ナンバー1のシェアを誇り、他を寄せつけないほどの成長をしております。

これまでは化石燃料を使って電力をつくり出して供給するということを行ってまいりましたが、デンマーク政府が自然エネルギーへとシフトしたことで、自らも洋上風力発電に舵を切り、今では85%が洋上風力で発電を行い、残りの15%だけが既存の化石燃料での発電ということでありました。

しかし、この15%も近い将来ゼロにして、全てを洋上風力発電に変えるということであります。

Orsted社は、いま世界中に洋上風力タービンを約1000基保有し、自然エネルギーの最大の輸出会社として日本もターゲットにしているとのことでした。

Orsted社は、化石燃料から洋上風力へシフトしたことで、会社の利益は4倍になったということであります。

また、初期投資もすべて自社で行い、政府からの補助金をもらうことはなかったということでもありました。

洋上風力は設置すれば風力だけでエネルギーをつくり出しますが、固形燃料は買わなくてはいけないということからしても、運営コストが軽減され、経営利益が出るということでありました。

彼らは、日本の電力会社がこの風力システムを導入すれば、会社の利益が増すということを考慮しながら、自然エネルギーとのベストマッチを分析・検証してみたいと言っておりました。

日本の新エネルギー政策について本格的に取り組む時期が来ているのだということを、今回の視察を終えて改めて感じております。

衆議院議員
下地ミキオ

※※※1週間前に配信されたメールマガジンを転載しております※※※
メールマガジンの登録にご登録いただけると、リアルタイムでメルマガをお届けいたします。
ぜひご登録ください。

メールマガジンに登録する