2018県知事選を振り返る<2>

(2018年10月9日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

今回の沖縄県知事選挙における佐喜真淳氏(自民・公明・維新・希望推薦)の獲得票数は316,458票でした。
この316,458票をどのように位置付けるかで、4年後の知事選挙、またその間に行われる各種選挙の戦略は大きく変わっていくことになるでしょう。

各報道機関の調査によると、出口調査(期日前・当日)での無党派層の比率は平均35%でありました。
この無党派層の数値は各社ともに大きな違いはありませんが、一部40%という高い数値もあり、これは近年稀に見る無党派層の比率の高さであります。
この無党派層の数値を前提に、「無党派層が佐喜真・玉城両氏をどのように支持したか」について、報道各社は「玉城氏7割・佐喜真氏3割」という見方で共通しておりました。
今回の知事選挙での有効投票数は72万210票でありますが、そこから無党派層(平均35%)を基に浮動票を算出すると、25万票となります。
この25万票の浮動票の7割を玉城氏が獲得したと考えると、玉城氏の総獲得票396,632票の内訳は「浮動票(7割)176,400票+基礎票220,232票」となります。
また、佐喜真氏の総獲得票31万6,458票の内訳は「浮動票(3割)75,600票+基礎票240,858票」となります。
玉城氏と佐喜真氏に8万票の差がついた事から、「佐喜真陣営の基礎票(自民・公明・維新・希望)が崩れたのではないか」という見方がありますが、それは間違いだということが、この推測から見てとれます。

この選挙における両陣営の基礎票は全く同数に近いものであり、浮動票が全てを決めたと言っても過言ではありません。
知事選挙において、今回のように浮動票が一方の候補者へと偏った選挙はこれまで4回ありました。
1回目は「大田昌秀知事の初当選時 」、
2回目は「稲嶺恵一知事の初当選時」、
3回目は「翁長雄志知事の初当選時」、
そして4回目が今回の「玉城デニー知事の誕生時」であります。
沖縄の各種選挙における浮動票の比率は近年大きくなる傾向にあり、浮動票の動きがその時々の時代を反映し、選挙を左右する羅針盤の役割を果たし始めました。
また逆に、基礎票と言われる保守・革新の票はその比率を小さくしており、その中での保守・革新の票数は偏ることなく均衡がとれたものになっております。

無党派層の人々は、沖縄の歴史のなかにある潜在的な課題から発生する“感情的マグマ”を爆発させ、沖縄の未来を決定する力を持っています。
今回の知事選挙は、無党派層の人々が歴史のなかで貯めてきた感情的マグマを「解決」という爆発ではなく、「感情そのまま」に爆発させたことで、佐喜真氏は浮動票の獲得が出来ず、厳しい結果を得ることになったのです。

佐喜真陣営は、「彼が知事になれば沖縄は大きく変わる。そして私の生活もこれまで以上に豊かになる」「子どもたちの教育がもっと良くなる。家庭の教育負担もなくなる」「おじいちゃん、おばあちゃんが安心して過ごせる沖縄ができる」「一生懸命に頑張る佐喜真氏に沖縄県政を任せてほしい」という素朴で真っすぐなメッセージを県民に伝えきれなかったことが、今回の知事選挙の大きな反省点です。
なぜ無党派層は玉城氏を圧倒的に支持したのか、お亡くなりになった翁長前知事の思いを、若い人たちのオピニオンリーダーたちが全面的に支持したという現象があったことは否めません。
この現象は、「辺野古反対・玉城氏支持」だけではつくりだすことのできないうねりだったと思います。
この現象は予測可能だっただけに、選挙戦略において対応できなかった私たちは、改めて猛省しなければならないという気持ちを持たなければなりません。

衆議院議員
下地ミキオ

※※※1週間前に配信されたメールマガジンを転載しております※※※
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