超大型台風に学べ 沖縄

(2018年11月16日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

今回は、2つの“超大型台風”的出来事と、それがこれからの日本政治にどのような影響を及ぼすかについて書いてみたいと思います。

一つ目は、10月4日に米国のペンス副大統領がハドソン研究所で行ったスピーチです。

なぜこれが“超大型台風”的出来事なのかと言えば、このスピーチが「米国の中国に対する姿勢を具体的且つ激しく示し、これまでの歴代大統領、副大統領のなかでも、最も“手厳しい”スピーチだったと評価されている」からです。
ペンス副大統領は、これまでトランプ大統領の黒子に徹し「空気みたいな存在だ」と揶揄されていただけに、予想しなかった過激な発言が世界を驚がくさせました。
「中国は政治、経済、軍事的手段、プロパガンダを通じて、米国に対して自分たちが優位に立とうという戦略を露骨に進めてきた」「中国の改革開放以来、中国が世界の貿易体制の一員として経済を発展させられるように、米国としても全面的に支援をしてきた。しかし結局中国は自国の市場を閉じて、米国の企業が不利になる環境をつくっただけではなく、知的財産も侵害をして、自国の利益だけを追求してきた」など激しく非難するトーンで、中国との和解は一切なく、長期にわたってこの戦いを進めていくのだという、選挙でいえば「出陣式」のような雰囲気を醸し出しております。
特に人権問題においても、新疆(しんきょう)ウィグル地区でイスラム教徒を大量に収容所に送り込んでいることや、現地のチベット仏教を従来以上に弾圧していると指摘し、中国がいちばん神経を尖らせている問題についても、容赦なく対決姿勢を示しております。

二つ目の“超大型台風”的出来事は、11月14日にシンガポールにおいて安倍総理がプーチン大統領と「1956年の日ソ共同宣言を基礎としながら、平和条約締結を加速させる」方針で合意したことです。

これは、ペンス副大統領の発言に匹敵するほどの衝撃的な内容であり、日本の70年間続いた領土交渉を180度変えるほどの合意であります。
安倍総理はプーチン大統領に対して、「北方4島には米軍を置かない」と発言したと新聞に掲載されておりましたが、なぜこのタイミングで安倍総理がそのような発言をしたのかと言えば、トランプ大統領の「ロシア疑惑」を見越し、北方4島に米軍を置かないことについて米国側は激しい反発をしないだろうという考え方があったことは間違いありません。
つまりトランプ大統領がロシアに関わることについてはあまり手出しをしたくないという政治環境を、安倍総理が巧みに活用したと見るべきではないでしょうか。

 ペンス副大統領の発言も安倍総理の合意も、政治の細かな戦略が積みあげられて行われるものであります。
そしてそこには必ず目的があり、ペンス副大統領の発言は「米国は中国と和解をしたい」というサインであり、安倍総理の合意は「日本はダレスの恫喝を越えて、日米同盟が進化した姿を自主的につくれる」というサインをロシアに示したと見るべきではないでしょうか。

沖縄県も辺野古問題を巡る国との協議において「私たちは進化した協議ができる」というサインを米政府に示す時が来ております。
相手にサインを出さない政治などないのです。

衆議院議員
下地ミキオ

※※※1週間前に配信されたメールマガジンを転載しております※※※
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