トランプの通商交渉術

(2018年12月5日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

米国と中国が90日間の「休戦協定」を結び、その間に「貿易の不均衡」について協議を行い、解決の糸口を導き出すことになりました。
米国側の通商窓口総括は、対中強硬派で知られるライトハイザー氏であり、中国に最も厳しいネゴシエーターが指名されることで、協議の行方はわからなくなったと言われております。

しかし皆さん、11月16日に配信したメルマガで、私は、米国の中国への姿勢は「中国と和解したいというサインだ」と、米中間が一番厳しくやり合っている時に予言いたしました。
今まさにその通りの方向に、確実に動き始めていることは間違いありません。

その理由を4点挙げることにします。

1点目に、米国のGDP240兆円の50%以上が「個人消費」で、そのうち60%が11月から12月のクリスマスバーゲンによってつくられると言われる経済だけに、この時期に生産大国・中国に関税をかけ、物価が高くなり、消費動向が悪くなることは、トランプ大統領の望むところではないということ。

2点目に、12月の株価の動向は消費動向と連動するだけに、株価の足を引っ張る中国への関税の加算は、この時期には絶対にあり得ないと考えていたこと。

3点目には、米国と中国が最後まで貿易戦争を行わないことは初めから決まっていたこと。
それは、米国債の最大の保有国は中国であり、その中国が国債の売却を行う事があれば、米国は大変な経済狂乱に陥ることは間違いありません。
それだけに、最終的な貿易戦争というのは、この2国間においてはあり得ないのであります。

4点目には、米国企業2万5千社が、中国に進出をしているという現状があること。
米国企業はこれまでは、中国の安い労働力で製品をつくり、それを米国に輸入して販売するという考え方でありましたが、今は中国のマーケットが最大の魅力となっているのです。
つまり米国のグローバル企業2万5千社にとって中国での売り上げ利益はなくてはならないものになっているのです。

このように、中国と米国の関係は切っても切れない状況にあるという現実を直視しながら、政治は決断をしていかなければなりません。

それを一番実行しているネゴシエーターがトランプ大統領であります。
彼は不動産ビジネスにおける経営者として、「安く土地を買い、それを、マンション・ホテル・テナントビルに仕上げ、高い利回りの好物件として売却する」というビジネスモデルを、何十年と行ってまいりました。
それだけに、彼が描く国家間の貿易は、その発想から生まれたものであることは間違いありません。

つまり、「米国の製品をどれくらい買うのか」「米国で消費する製品は米国でつくれ」「米国に輸入する製品のダンピングは許さない」これは典型的な保護貿易であるように見えますが、実際はこのツールを最大限に活かして、米国製品を世界中に売り抜くグローバルビジネスを展開したいのではないかと、私は見ております。

「ツールは、アメリカンファースト」これで世界を恫喝できるのは、これまで本気でグローバル経済をしてきた米国以外はできないでしょう。

衆議院議員
下地ミキオ

※※※1週間前に配信されたメールマガジンを転載しております※※※
メールマガジンの登録にご登録いただけると、リアルタイムでメルマガをお届けいたします。
ぜひご登録ください。

メールマガジンに登録する