風は吹くか~大義を探して~

(2019年5月31日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

先週末から今週頭にかけてトランプ大統領が来日し、まるで大型台風のように多くの悩ましい発言を残して、ニッポンを去っていきました。

安倍総理とのゴルフ、相撲観戦、護衛艦“かが”での日米同盟の絆のスピーチなど、多彩な日程であったことは間違いありません。

 その嵐のなかでも特に永田町が震撼したのが、「日本の7月の選挙が終わるまでは、日米交渉の合意を延期する。8月には良い結果が聞こえるだろう」とのトランプ大統領の発言でありました。

この発言から「衆参同時選挙か!」と多くの人達が予想したと思いますが、永田町が震撼した最大の理由は、日米貿易交渉におけるトランプ大統領の“良い結果”は、日本にとっては“悪い結果”であることが予想できるからであります。

もしも、参議院だけが日本の選挙ではないことを理解しながらのトランプ大統領の発言であるならば、「情勢が悪くなる前に、衆参同時選挙をしたらどうか」と、安倍総理に提案をしたようにも受け取れます。

景気の動向、GDPの数値、10月からの消費税10%、自動車関税引き上げの最大180日間延期など、これらは決して安倍内閣にとってプラス要因になるとは言えません。

ですから、「情勢が悪くなるまえに、衆参同時選挙だ」と思う人が多くなるのも必然でしょう。

 しかし、ただひとつハッキリと言えることは、「大義を探すのが難しい」ことへの回答を持ち合わせる政府関係者がいないということです。

菅官房長官の「野党から内閣不信任決議案が出たら、それも解散の大義となり得る」という発言は、見方を変えれば「それほどまでに大義がない」という一つの表れかもしれません。

しかし、6月のG20大阪サミットにおいて、「日露首脳会談での北方4島返還問題」「日韓・日米・日露・日中首脳会談での北朝鮮問題」を協議するなかで、この大義が見つかる可能性も大いにあります。

また、日米の絆をアピールしたトランプ大統領の訪日から1週間と経たないうちに、日露外務・防衛閣僚会議「2+2」が行われました。

このタイミングが、果たして良いのか悪いのか、今はまだわかりません。

ロシアのラヴロフ外相は日本のイージスアショアについての懸念を表明したり、ショイグ国防相は東京の多磨霊園を訪れてソ連の伝説的諜報員であるゾルゲの墓に手を合わせたりと、「本当に北方4島交渉を行う気があるのかな」と首をかしげるのは、私だけではないでしょう。

また、ラヴロフ外相が会議の前、自らの親しい友人と共に豊洲に直行してマグロを食したと教えてくれた知人は、「まるで観光気分なのでは」とコメントしていました。

つまり、今回の「2+2」において何かが決まることは期待できず、プーチン大統領との6月29日に予定される首脳会談まで日露の協議は進まないとの見方が強いのです。

 「北方4島における経済協議は少し規模が小さすぎる」という声もあるだけに、お互いの本気度がまだまだ足りないという見方を払拭するきっかけが必要かもしれません。

ラヴロフ外相のマグロ好きは有名で、毎月1回、親しい友人らと豊洲でマグロを食するそうです。

日本好きであることは間違いないと思えるだけに、領土問題を具体的に進めるラヴロフ外相との会談は、マグロを介すと良い結果を得られるかもしれません。

                      衆議院議員
                      下地ミキオ

                     

※※※1週間前に配信されたメールマガジンを転載しております※※※
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