日本包囲網を包みこむ戦略外交

(2019年8月2日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

わが国を取り巻く内外の環境は著しく不透明になってきており、それと同時にこの環境をつくりだす意図ともたらされる影響が、これもまた著しくわかりにくいものになっています。

また、一つひとつの出来事についての見方・考え方について、想像もつかないようなものがあることにも、私は驚きを隠しきれません。

7月23日にロシア空軍と中国空軍の爆撃機が合同で竹島上空を通過し、それに対して韓国軍機が警告射撃を行ったすべての状況が、ロシアのテレビで報じられました。

これだけの映像が撮られているということは、初めから何らかの意図をもってカメラが回っていたことだけは間違いありません。

その意図は何かというと、中国とロシアが、竹島が韓国の施政権下にあることを証明するために韓国軍に警告射撃をさせ、自衛隊が何もできない状況をつくりあげたという人がおります。

この話が事実か事実でないかという論議ではなく、そういう見方があるということに、私は本当にびっくりいたしました。

今日には、「ロシアのメドベージェフ首相が択捉島を訪問する」という、これまでの日露外交の積み上げをぶち壊すかのような行動が行われます。

また今日未明、「北朝鮮はこの1週間で3度目のミサイル発射」を行いました。

そして今日、「日本は韓国をホワイト国から除外する閣議決定」を行いました。

トランプ大統領は今日、「9月から中国からの3000億ドル分の輸入品に10%の追加の関税をかける」と表明しました。

今日のこのすべての動きは単発的ではなく、すべてがつながっている外交パフォーマンスだと、私は見ております。

北朝鮮のミサイル発射は日韓外交が崩壊する中でのくさびを打ち込む手段と見るべきだし、メドベージェフ首相の択捉島訪問は、アメリカ追随、つまり有志連合へ日本が参加することへの警戒を示す行動であると見るべきであります。

つまり、中国・ロシア・韓国・北朝鮮が日本包囲網をつくり、日本の外交に大きな障壁がつくられつつあるのです。

日本は最終的にそれを打開するために、アメリカへと舵を切り、貿易交渉においても、有志連合の枠組みにおいても、アメリカ主導の考え方に追随していかなければならなくなります。

そしてまたそのことが包囲網の壁を高くしていくという、まさに日本外交が大きな局面を迎えているという印象は否めません。

わが国にとって、朝鮮半島の安定こそが全ての安全保障政策の根幹となるだけに、日韓関係の悪化、北朝鮮とのチャンネルをつくりきれない状況、ロシアとの北方領土問題が悪化し糸口が見えない環境、混迷する米国との車・農業製品の貿易交渉、中国が強大な軍事力を保持している現状、米露中距離核戦力全廃条約の失効による核の不安定な現状など、このメルマガを書きながら、私でさえも「本当に日本外交は大丈夫なのか?」と思わざるを得ないような状況であります。

こういう時は、(1)楽観視しない、(2)相手国の批難をしない、(3)自らの妥協できる範囲を模索する、(4)仲裁国を決めておく、(5)仲裁国の下に多国間協議を行い解決する、というような外交の流れをつくっていくことが非常に大事なことであると考えます。

外交は、強い姿勢を見せることで国内から支持を得易くなり、政治的に交渉妥結よりもパフォーマンスの成果を欲しがる人がいますが、これまでの歴史から、そのことが戦争という最悪の道筋をつくることになるのです。

それだけに、冷静な冷静な外交が求められます。

日韓外相会談の際、河野外外相が韓国の外相と笑顔で握手ができるようだったら、韓国を包み込んで解決できるでしょう。

                      衆議院議員
                      下地ミキオ

                     

※※※1週間前に配信されたメールマガジンを転載しております※※※
メールマガジンの登録にご登録いただけると、リアルタイムでメルマガをお届けいたします。
ぜひご登録ください。

メールマガジンに登録する