歴史感を共有するという重み

(2019年8月23日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

韓国が昨日、日本との軍事情報に関する包括的保全協定(GSOMIA)を破棄することを決めました。

まず日米がGSOMIAを結び、米韓が結び、そして日韓が結ばれたことで、朝鮮半島有事を想定した安全保障情報の共有が的確に行われる体制がつくりあげられてきました。

北朝鮮からミサイルが発射されると、その情報が日・米・韓で共有され、軌道や着弾地点が瞬時に割り出せることは、非常に大きな意味を持つものであります。

その即応能力を高めるためのGSOMIAが、日韓間で破棄されたということで、日本の安全保障は非常に厳しい環境に陥ることになります。

北朝鮮から見ると、日韓の溝が更に深まったことで様々な戦略上の幅が広がり、選択肢が増えることになります。

そして、核ミサイル・拉致問題に対する交渉過程において、日本にとって様々な不利条件となることを考えると、日・米・韓の安全保障上の連携は早急に修復しなければなりません。

2015年8月にフィリピンを訪問した際、軍関係者から「南沙諸島で中国が島の埋立を開始した時期から3年にわたって、米国に対し何度も『中国が基地化しようとしている。それを止めなければならない』というメッセージを送ったが、米国は何も動かず、今ごろになって航行の自由作戦だとか、南沙諸島の軍事強化だと発言する。なぜあの時に動かなかったのか」という疑問を聞きました。

一昨日、韓国とイスラエルのFTA交渉妥結が発表されました。

この時期にイスラエルと韓国がFTAを結ぶという外交に、私は正直びっくりいたしました。

イスラエルはトランプ政権にとって非常に重要な国家で、娘婿のクシユナー氏がユダヤ人ということもあり、米国大使館をテルアビブからエルサレムに移すという、これまでの大統領が誰もやらなかったことを実行するほどの関係です。

トランプ大統領にとって、イスラエルに有利な様々な外交が進むことは、自らの再選へ向けて決して悪いことではありません。

つまり、イスラエルと韓国とのFTAは、トランプ大統領が一番喜ぶ協定であり、それが厳しい環境にある日韓関係の究極の状況の中で結ばれたことは、「たまたま」という言葉で片づけられるものではないと考えます。

米国はこの状況下で、日本寄りの決断をすることはなくなったのではないでしょうか。

韓国の日本とのGSOMIA破棄に対して、米国政府が「失望」を表していることは当たり前ですが、そのことで在韓米軍の撤退といった韓国を厳しく追い詰める対応は絶対にしないと思います。

日本が韓国のホワイト国除外を決めた時、決して徴用工問題の報復ではないと定義づけました。

今回の韓国の日本とのGSOMIA破棄も、ホワイト国除外の報復ではないと発表されています。

この「建前と本音が見え見え」の日韓の行動や発言に、各国の外交関係者からは「外交的発展途上国というレッテルで見ている」という厳しい意見がありました。

イスラエルの関係者に、「今の日韓関係をどう見ているか」と質問すると、次のような答えが返ってきました。

「イスラエルとドイツは、歴史を共有している。いま一番の信頼関係は、イスラエルとドイツだ」そう言いきりました。

この言葉は、重く私の心に残っています。

                      衆議院議員
                      下地ミキオ

                     

※※※1週間前に配信されたメールマガジンを転載しております※※※
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