危機管理が国家の要諦

(2019年1月31日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

新型コロナウイルス感染者の拡大がなかなか収まることがなく、国内では14人の感染が認められました(1月31日午前9時時点)。

また、中国湖北省武漢市からの政府によるチャーター便からの第一便においては、3人の感染が確認され、第二便では210人のうち26名が発熱の症状があり入院したとのことです。

第三便は、31日の午前8時頃に武漢を出発し、午前10時20分頃羽田空港に到着しましたが、十分な対応が求められることになると思います。

私が一番疑問に思ったことは、世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルスに対する対応であります。

WHOは、1月23日の段階においては、時期尚早だとして「国際的な公衆衛生上の緊急事態」宣言を見送り、その後、中国本土以外の21ヵ国・118名もの感染者の拡大が確認されたことを受けて、緊急会議を開き、1月30日に宣言ということになりました。

遅きに失した感は否めず、まさに後手政策と言わざるを得ません。

その背景には何があったのかを考える必要があると思います。

私は、後手に回った一つの理由として、WHOの中国政府への「曖昧な配慮」があり、中国政府の経済に与える影響への配慮がそこにあったのではないかと思います。

このWHOの「曖昧な配慮」は、世界各国の対応を遅らせることとなり、各国の水際作戦に影響を及ぼし、感染が拡大したとみるべきであります。

日本政府の対応についても、14人の感染者が確認されたということは、水際作戦の対応が失敗したと厳しく見ることが重要ではないでしょうか。

中国において、新型コロナウイルスの拡大を中国政府が発表した段階において、この発表の数字をそのまま受け入れるのではなくて、もっと厳しい捉え方を日本政府はすべきだったと思います。

中国政府が隠蔽体質とは申し上げませんが、このような世界的な感染に関する問題については相手国を信じるだけではなく、自らの国の対応を強化するというのが危機管理能力だと私は思います。

その意味においても、中国の皆様が内外に移動する春節時期と今回の感染拡大の時期が重なっていることから考えても、日本政府は厳しい水際対応を取るべきだったのではないでしょうか。

結局は、中国政府が団体旅行・個人旅行を制限すると発表したことを考えると、それよりも先手を打ち、日本政府が中国からの旅行客の制限措置を先に決断すべきだったと私は考えます。

また、その決断を実行すれば、必ずキャンセルに伴う経済損失が発生するだけに、「水際作戦とセーフティーネットの予算措置」、つまり、感染を最小限に食い止め、かつ、それに伴う経済損失の補填も日本政府が対応すれば、緊急事態に強い日本という姿を示すことができ、長期的スパンでの日本観光の信頼を築きあげることにもなったのです。

日本政府の早急な対応と大胆な予算措置の決断は、インバウンドの観光客5000万人を達成することにおいても、8月のオリンピック・パラリンピックを成功させるうえにおいても、大きな信頼を作り上げることになると思います。

観光は「信頼と安心」です。

「信頼」は相手の立場を考えて物事を進めること、「安心」は、長い意味での相互を思いやる協力関係を作ることです。

                      衆議院議員
                      下地ミキオ

※※※1週間前に配信されたメールマガジンを転載しております※※※
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