安倍総理のしたたかさ

(2019年3月6日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界的にも国内的にも衰えを見せていません。

安倍総理は、野党各党に対して、総理大臣が「緊急事態宣言」を行い、自治体による外出の自粛や学校の休校などの要請や指示を出すことを可能にする法案の成立に協力をお願いしました。

法案は来週13日にも成立する見込みです。

さらに、政府は、きのう(5日)、中国と韓国に対する水際対策を強化し、両国からの入国者について、日本人も含めて、2週間、指定場所での待機を要請することを決め、発行済みのビザの効力を停止し、旅客機が到着する空港も成田と関空に限定しました。

実質的な中国と韓国からの入国禁止措置であります。

私からすると、「遅きに失した」と言うしかありません。

私は、1月29日、ツイッターで、「安倍政権の命運は、このコロナウイルス対策で決まる。早めに補正予算を成立させて、来週1週間は、コロナウイルス対策に、すべての政治・行政のエネルギーを傾注すべきだ。コロナウイルス以上の政治課題は、今、この国にはない」と発信しました。

また、「小・中・高校、特別支援学校への休校要請」も遅すぎますし、「中国の習近平国家主席の訪日延期の決断」にも時間をかけすぎました。

こうした五月雨的な対応は、支持率が低落した事を受けての支持率の回復を目指した「場当たり的な決断」ではないかという見方が出るのも、この思いつきのようなタイミングに原因があるのです。

しかし、永田町ではこの対応を表面的な見方だけで理解する人はいません。

安倍総理は、この「遅すぎるタイミング」を逆手にとって、「新型コロナを封じ込める」と同時に、自らの政治の悲願である憲法改正の「緊急事態条項」の実現に道を開こうという思いがあるというのです。

それはつまり、安倍総理は、まず「緊急事態条項」の創設へと世論を動かすため、国民の理解を得やすくする地ならしを新型コロナ対策で行うということです。

新型コロナ対策の政治決断の一つ一つが、大災害などの緊急事態において、内閣に権限を一時的に集中させる「緊急事態条項」を想定しており、いわば、その実現のための地ならしだということです。

まさに、今の「トイレットペーパーを買い占める」「マスクを高額で転売する」など、勝手な行動をとる人たちに振り回されるなど、迷惑な行動をとる一部の人々に対して嫌気を感じている国民感情を確実に利用する。

そして「緊急時は個人の権利を制限してもかまわない」という国民の意識作りが、今、行われているということなのではないでしょうか。

安倍総理は、「この1、2週間が感染拡大を防げるかどうかの瀬戸際だ」と強調しました。

政治においては「ピンチをチャンスに変えた時」、大きな政策課題や難解な政策を解決する環境ができると言われています。

「今回の感染症対応は後手後手だ」との厳しい見方ばかりがありますが、その一方で、案外、安倍総理本人は、この「非常事態」を乗り越え、悲願の憲法改正を成就させる機会を得たという「したたかな政治」をイメージしているかもしれません。

これらの事が事実かどうかは、閣僚もわからないと思います。

わかるのは安倍総理と取り巻きの一部だけだと思います。

衆議院議員
下地ミキオ

※※※1週間前に配信されたメールマガジンを転載しております※※※
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