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シン・異次元の少子化対策

(2023年1月27日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

令和 5 年 1 月 23 日、岸田総理は、第 211 回通常国会の施政方針演説のなかで「従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」と述べました。

“従来とは次元の異なる”=“異次元”ですが、辞書には、“通常とは全く異なる考え方、また、それに基づく大胆な施策”との意味も記されております。

そのことを踏まえれば、“異次元の少子化対策”とは、これまでやったことのないような政策を打ち出す少子化対策だと理解できるでしょう。

総務省は、わが国の総人口について、2050 年には 9,515万人となり、約 3,300 万人減少するとの推計をしています。

この3,300万人という数字は、現在の東京都の人口と九州・沖縄の人口を足し合わせた 2,819 万人を超えるものであり、これはまさに国家存亡の危機といえます。

「従来とは次元の異なる少子化対策」が必要であることは間違いありません。

それだけに、下地ミキオが考える「異次元の少子化対策」について、5つの提案を致します。

(1)「経済的に子育てをしやすい環境」 

私が4年前に「教育無償化は国難突破の万能薬」を出版した当時は、国立社会保障・人口問題研究所の第15回調査(2015年)によると、理想の子ども数を持たない理由について、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」との回答が「56.3%」となり、生涯賃金を見れば、高卒者と大卒者では7500 万円もの格差がありました。

また、自らが目標とする大学・専門学校に進学するためには、塾に通わなければならないという環境であるだけに、「保育園から大学・専門学校まで授業料無償化」「給食費の無料化」「朝食の提供」「18 歳未満の医療費無料化」「学習塾・習い事の月謝3万円上限で給付」「県外への遠征費用補助」といった、教育の“完全無償化”を、私は提案しております。

これこそがまさに、「教育費の無償化」による「異次元の少子化政策」であると考えます。

(2)「全てにおいて子どもの立場を尊重する“子ども主体論”」 

わが国で生まれた子どもについては皆、平等かつ公平な立場で支援策を実施することが大事です。

国籍や政治的環境によって、子育て支援策が左右されることがあってはなりません。

「この国で生まれた子どもは全て尊重する」という姿勢を政治が貫けるかが重要です。

少子化対策に成功したフランスは、この“子ども尊重主義”を徹底的に行っていることを、わが国も学ばねばなりません。

(3)「法的婚姻にこだわらない形」 

シングルマザーといえば、“未婚の母”や、“離婚・別居・死別して子どもを一人で養育している女性”という認識が一般的ですが、今後は、法的婚姻にこだわらない形での結婚のあり方や、選択的夫婦別姓などの考え方を積極的に採り入れて、これまでのシングルマザーに対する概念を大胆に変えることが必要です。

そのことによって、子どもを産みやすい環境が生まれ、同時に、働き方改革も行うことで、子育てをしやすい環境も整うことになります。

(4)「フランスの人口統計学者であるエマニュエル・トッド氏の指摘」 

「高学歴の女性が働く環境が整えば整うほど、少子化は進む」というトッド氏の指摘を、私たちは乗り越えなくてはなりません。

大胆な働き方改革を行い、育児と仕事を両立できる新たな労働法制をつくることが必要です。

今行われている育休制度の進化版をつくり、また、会社経営においても、社内における出生率が会社の評価につながるような新たな企業価値をつくりあげ、それが評価されていく社会をつくることが重要です。

(5)「里親制度・人工妊娠中絶の大胆な改革」 

「ひとつの新たな命をどう守るのか」、私たちは真剣に論議する時を迎えています。

厚労省の発表によれば、2020 年度の人工妊娠中絶届出件数は14 万 1,433件です。

「新たな命に、喜ばれない命は一つもない」という考え方の下で、里親制度と組み合わせた仕組みを考え、子どもを産んだ親たちが新たな人生を歩めるようにすべきです。

このメルマガで私が結論を出す事はできませんが、5つの提言として示しておきたいと思います。

“異次元”という言葉に、「児童手当の拡充政策」や「所得制限の議論」は当てはまりません。

“異次元”とは、私が指摘した5つの提言から始まるものではないかと考えます。


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