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何かおかしい、今の政治の判断

(2023年4月7日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)


「コロナ後、店の売上は伸びていない」
「油・小麦をはじめとして、原価が 30%アップした」
「お客様のライフスタイルが大きく変わり、店内での滞在時間が短くなった」
「店員不足のために、時給を上げざるを得なかった」
「5月から沖縄電力の電気料金は 15〜16%値上がりする」

これらは、那覇市内で24 時間営業の喫茶店を経営するマスターの悲痛な訴えです。

「ミキオさん、政府は、2023 年度から5年間の防衛費を17兆円増やして総額43兆円規模にすると発表し、その追加財源の 4分の1程度を増税で賄うと言っていたけど、大丈夫ですか? 今のままだと、台湾海峡の危機よりも、私の店と家庭の危機のほうが先に来るよ」

マスターのこの言葉は、重く受け止めなければなりません。

「政治における優先順位は、安全保障と生活ではどちらを高くすべきなのか」、「コロナが2類から5類に引き下げられることが決まり、マスクの着用も自主判断となったが、政治は“コロナの影響はもう大丈夫だ”と思って良いのだろうか」、私たちは、コロナ禍の 3 年間で生じた歪みを甘く見てはいけないはずです。

下地ミキオは、防衛予算を確保するための増税には真正面から反対であり、国民に過重な負担をかけない(増税をしない)範囲内で防衛装備の充実を図るという選択をすべきだと考えます。

私の政治の師である山中貞則先生は、「殿様は、天守閣から民の暮らしを見て、夕飯時にかまどの煙が数多く立ち上っていれば、民に対して税をお願いし、かまどの煙が少ない時には、民に税のお願いはしない。これが、税の基本的な考え方だ」と、自民党税調のなかで私たちにご指導くださいました。

この考え方からすれば、今は、夕飯時のかまどの煙は少なく、防衛費のための増税を民が受け入れられるような環境ではありません。

「国を守る」「台湾有事」この2つを免罪符のように列挙し、全ての政策を超越して防衛政策を最優先させるような政治は、国民のための政治ではありません。

政治は、「国民生活を守り」、そして、「国を守る」という順序が大事なのです。

この順序なくして、国民一丸となった安全保障政策を実行することはできません。

しかし今、政治のバランスは足元から崩れ、「国民生活」というコアの政策が後回しにされていると感じます。

岸田内閣が3月31日に発表した「次元の異なる少子化対策」の内容は、「次元の異なる」というレベルのものではなく、「ないよりは、あったほうが良いよね」という程度にしか見えません。

多くの国民は、今回の防衛費43兆円が、「次元の異なる少子化対策」にも大きな影響を及ぼしていると感じているでしょう。

右手で「防衛費の財源」を確保し、左手で「次元の異なる少子化対策の財源」を確保する。

国民は、「コロナ禍において、あれほど巨大な対策予算を投入した後、この2つの財源の確保を両立させることは出来ないだろう」とも、思っているのではないでしょうか。

「2050 年の日本は、今の東京都と九州・沖縄の全人口3000 万人もの人口が減少している」という推計にこそ、まず目を向けるべきです。

台湾有事は、今のわが国最大の危機ではなく、日本の人口減少こそが、今のわが国の最大の危機なのです。

そう考えれば、「次元の異なる少子化対策」を、真に異次元で具現化していくことが最優先であり、防衛装備の充実は、増税を行わない範囲で、まずスタートさせることが当たり前であります。

そのこと以外、いま政治が決断する選択肢はありません。

政治家は、「決断力」、政策の優先順位を決める「判断力」、絶対にやり抜くという「信念力」、国民に寄り添う「優しさ力」、この4つの「力(りょく)」をベストミックスさせなくてはならないのです。

バランスを崩している今の日本の政治を、下地ミキオは、遠い沖縄から心配するばかりです。

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