(2023年9月15日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)
9月13日、第2次岸田第2次改造内閣が正式に発足しましたが、この時期の内閣改造の意義、そして、この内閣改造と新閣僚の顔ぶれをどのように評価するのか、政局にどう繋がるのかについて、個人的見解をもとに検証していきます。
「内閣改造のタイミング」
この時期に内閣改造を行う目的は、2つあります。1つは「内閣支持率低迷からの脱却」で、「支持率回復→臨時国会後に解散・総選挙→勝利して、来年の自民党総裁選に臨む」ための第一歩とすること。2つ目は、政権内の最大の問題「木原誠二・元官房副長官のスキャンダル対策」。政治家・木原氏の将来を信じている岸田総理は、罷免ではなく、内閣改造によって、スキャンダル色を薄めたかったのかもしれません。
「内閣改造に対する国民からの評価」
各メディアは9月12日、内閣改造と自民党役員人事を報じましたが、この日の株価が反応することはありませんでした。また、各メディアの内閣支持率の調査によると、共同通信は支持率「39.8%」で6.2ポイント上昇したものの、読売新聞は「35%」の横ばいで、全体的に厳しい評価となっていることは間違いありません。「経済的要因」「政治的要因」両方の数字から、岸田内閣の政策に対する評価が読み取れます。
「内閣改造の目玉」
内閣改造には必ず”目玉”があるものですが、今回は「目玉」といえるような、強烈なインパクトは感じられません。強いて挙げれば、女性の入閣が5人で多いことと、初入閣11名が新鮮味をアピールしていることでしょうか。しかし、主要ポストの留任等、大きな変化を感じることが出来ないのが、国民から率直な評価だと思います。民間人や石破元幹事長が入閣していれば、国民の見方は全く違ったものになったでしょう。岸田総理は、「国民評価よりも来年の総裁選における派閥の囲い込み」を優先したようです。
「鍵を握る小渕優子」
小渕優子氏が自民党選対委員長に任命されましたが、11月に衆院選が囁かれるなかで、選対を大胆に仕切れるかどうかに大きな注目が集まっています。選対本部長として成果を出せば、女性総理の道も開けてくるからです。ネガティブなイメージを払拭し、国民的人気をどのようにつくりあげていくのかが問われることになります。
「変わるべきは、岸田総理」
岸田総理は、本気で異次元の政策をつくり上げなければなりません。内閣支持率が低いのは、アッと驚くような政策がないからです。内閣改造で閣僚を変えても、総理大臣が大胆でなければ、国民の信頼は得られないからです。