沖縄が好きだから、今もこれからも前へ進む!

新・沖縄振興措置法

下地ミキオのイベントスケジュール

そもそも、特別措置法とは

かつてアメリカだった沖縄

今からおよそ50年前、沖縄はアメリカの施政権下にありました。 本土から遠く離れた離島地域であり、かつ、パスポートが必要な島でした。
車は左車線ではなく、右車線を走っていました。 貨幣はドルを使っていました。
今では信じられない話ですが、かつての沖縄県民は、日本とはまるで違う制度のなかで生活していました。

政府の責務として

1972年、沖縄は本土への復帰を果たします。 政府は、沖縄の本土復帰を後押しするために、自らの責務として、沖縄振興策の実施へと取り組んでいきます。
この沖縄振興策の実施のために、法律を制定する必要がありました。
そこで制定されたのが、「沖縄振興開発特別措置法」、現在の「沖縄振興特別措置法」です。

POINT

沖縄振興特別措置法とは、いわば、 “沖縄振興を実施するためのルールを記したルールブック”です。

これまでの「沖縄振興計画」を検証する

これまでの「沖縄振興計画」を検証する図

「10年ごと」に見直される沖縄振興計画

沖縄振興計画は1972年度以降、10年ごとに策定されてきました。 第1次、第2次、第3次(1972~2001年度)までは、「本土との格差を是正する」「自立発展のための基礎条件を整備する」ことを最重要の達成目標として掲げました。
第4次(2002~2011年度)から、「民間主導の自立型経済の構築」を達成目標として掲げ、現在は第5次(2012~2021年度)にあたります。

目標達成 3回できず

これまで5回にわたる振興計画が策定されてきましたが、目標を達成することができたのは、第1次、第2次の2回のみです。
なぜ第3次、第4次、第5次、と、振興計画は目標を達成できなかったのか。
その検証をしっかりと行い、第6次の振興計画を策定することが重要です。

沖縄に対する強い思い─私の政治

「沖縄問題は重い」と言い続けてきた、私の政治の師

「賢らに沖縄の心語るなり 栄光と苦難の歴史は知らず」
私の政治の師である山中貞則先生が詠んだ歌です。
本土復帰前は、沖縄の復帰の準備をし、復帰後は、初代沖縄開発庁長官を務められました。
政治家として何をやったかと問われた山中先生が「一番に沖縄、二番に消費税」と答えられたそうです。
その思いにしっかりと応えるためにも、沖縄を発展させ、県民のくらしを豊かにする第6次沖縄振興計画を策定し、そのための沖縄振興特別措置法をまとめ上げなければなりません。

「条文」に書き込むことの重み

沖縄振興特別措置法への特別な思い

私は、2002年、2012年と、2度にわたって、沖縄振興特別措置法に与党の立場から携わりました。
この経験をした政治家は、国会議員でも、県会議員でも、今は私以外にはおりません。
2度携わった経験からはっきりと一つ理解していることは、「条文の重み」です。

実現したいことは、必ず条文化しなくてはならない

「条文に書き込むこと」がいかに重要であるか、分かりやすい例を2つ挙げます。
一つは、2012年の沖縄振興特別措置法改正時に、「専門学校」という言葉を条文に書き加えました。
これによって、「専門学校に予算がつく」ようになりました。
今や、500人から600人ぐらい給付型の奨学金を受ける子供たちが専門学校にいます。
2つ目には、「琉球大学」という言葉を条文に書き加えました。 「沖縄の健康の拠点地区をつくる」という言葉も一緒に条文に書き加えたところ、琉大病院建設の「補助金が8割」になりました。
財政投融資のような、借入れで建設するとなれば、もっと規模の小さい病院しか建設できなかったと思います。

第6次沖縄振興計画 目指す姿は“好循環型社会”

好循環モデルのカギは“教育”にあり

沖縄県は、四方を海に囲まれ、一年を通して暖かく、アジア各地の文化を巧みに融合させた独自のミクスチャー文化を生み出しています。
その個性を最大限に活かすためには、アジアを視野に入れた振興策が必要です。
沖縄県がアジアの中心となり、「人にやさしく」「安定した経済成長を可能にする」振興策を実現すれば、SDGsを徹底的に活用した経済活動が活性化します。 それによって、沖縄はさらに、その個性と強みを活かすことができます。
この好循環モデルを実現させるためには、これらの役割を担い、実践してく優秀な人材が必要です。 その人材を育成するためには、教育こそが最重要です。 好循環を支える大きな幹は、「教育」なのです。

第6次沖縄振興計画 達成のカギは「5つの柱」

5つの柱で、第6次沖縄振興計画の目標達成力を高める

「格差」、「変革」、「ポストコロナ」、「SDGs」、「未来」。 第6次沖縄振興計画を策定するにあたり、この5つを大きな柱として、新たな沖縄振興特別措置法を制定します。

これまでの沖縄振興計画を検証すると、3次、4次、5次の振興計画は、目標を達成できていません。
つまり、県民所得も、GDPも、掲げた目標を達成できていません。
この2つの目標を達成できていないために、「自立した経済」という目標も達成できずにいます。
結果的にどうなるかといえば、負の連鎖が生まれて、沖縄でのDVの数が増え、子供の虐待の数が増えるという事態になります。

「振興計画を策定しました」というだけで終わっては無意味です。
目標を達成することが最重要です。
目標を達成できる振興策をつくる。
そのための沖縄振興特別措置法が必要です。

“特殊事情に終止符” ━「格差」へのチャレンジ」

教育の無償化は沖縄から!

現行の沖縄振興特別措置法(以下、現行法とよぶ)では、教育の充実を図る対象が「離島地域に所在する教育機関」というように、範囲を限定して書かれています。


現行法

第92条
国及び地方公共団体は、離島の地域に所在する小規模の小学校、中学校及び義務教育学校並びに中等教育学校の前期課程における教育の特殊事情に鑑み、その教育の充実について適切な配慮をするものとする。

私が考える改正案では、「沖縄県内に所在する」と書き加えて、離島地域に限定せず、対象を広げます。
また、経済的負担の軽減については、国の制度は「あくまで参考として」、沖縄の特殊事情に照らし合わせた独自の制度を措置できるよう、条文に書き加えています。

改正案(一部抜粋)(沖縄における教育の充実)

第101条 
2 沖縄県内に所在する幼児教育施設、保育所、小中学校、高等学校、大学、短期大学、高等専門学校及び専修学校専門課程(専門学校)に在籍する児童生徒及び学生を対象として、その経済的負担を行う者の負担の軽減を図るものとする。
3 経済的負担の軽減については、国の制度等を参考とする


沖縄版ベーシックインカムが県民所得向上の架け橋に!

第101条
沖縄の豊かな住民生活を実現するために、「沖縄版ベーシックインカム制度」を創設します。
しかし、この制度をずっと活用するという発想ではありません。
県民所得の格差が解消されるまでの期間において、基礎的な生活保障を給付し、その間に、県民所得の向上を達成するための取り組みを推進するイメージです。


現行法

規定なし

改正案(一部抜粋)

(「沖縄版ベーシックインカム制度」の創設)
第106条
沖縄の置かれた特殊な諸事情に鑑み、沖縄の豊かな住民生活の実現に寄与するため、県民所得の格差が解消されるまでの期間において、基礎的な生活保障としての給付を行うための「沖縄版ベーシックインカム制度」を創設する。
2(略)
3 国及び地方公共団体は、「沖縄版ベーシックインカム制度」による給付のために必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。


琉球工科大学・付属高校設立でプロフェッショナルを育成!

沖縄では、工業高校、農業高校、水産高校、商業高校を卒業した生徒たちが、専門的知識とは全く関係ない大学へ進学したり、企業に就職したり等、身につけたスキルを十二分に活かしきれていない状況が続いています。
この状況を打開するため、現行法の「人材の育成等に関する規定を拡充」し、沖縄経済の発展や、新たな基幹産業の創生に必要とされる教育等を行う琉球工科大学を設立するための支援措置を条文に書き込みます。
これにより、沖縄県の農林水産業、製造業をリードしていく人材育成が可能になります。


現行法(一部抜粋)
(人材の育成等)

第83条の2
国及び地方公共団体は、観光、情報通信、金融等の沖縄の産業の振興のために必要な分野における高度な知識又は技術を有する人材の育成及び確保のための措置並びに起業を志望する者に対する支援のための措置を講ずるよう努めるものとする。

改正案(一部抜粋)
◎現行法の規定に加えて

第92条の2
3. 国及び地方公共団体は、第一項の目的を達成するため、沖縄において、沖縄経済の発展や新たな基幹産業の創生に必要とされる教育等を行う琉球工科大学の設立の支援のための措置を講ずるとともに、必要な資金の確保その他の援助及び公共施設の整備の促進に努めるものとする。


離島の交通コストを見直して住民の負担軽減!

現在、沖縄離島住民らの交通コスト負担軽減事業は、ソフト交付金(※)から負担して、運賃の低減を実現しています。
私は、ソフト交付金とは別に、離島に暮らす皆さんの生活を安定させるための措置を条文に書き込み、制度運営のための予算をつねに確保して、交通コストの負担軽減を実現すべきだと思います。
※ソフト交付金とは・・・
沖縄振興特別推進交付金のことです。この交付金は、県が自主的な選択に基づいて実施する沖縄振興に資する事業の経費として交付し、観光振興や離島振興等に活用されています。


現行法

第105条の2
2. 沖縄振興交付金事業計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
二 沖縄の振興に資する事業等であって次に掲げるものに関する事項
リ 離島の振興に資する事業等

改正案(一部抜粋)
(交通の確保等)

第100条
3 国及び地方公共団体は、離島の地域における住民の生活の利便性の向上及び産業の振興を図るため、海上、航空及び陸上の交通の総合的かつ安定的な確保及びその充実に特別の配慮をするとともに、生活及び交通に係る負担軽減の措置を講ずるよう努めるものとする。


沖縄県産農林水産物をもっと県外へ!

沖縄県は遠隔地であるため、農林水産物の流通における条件に不利が生じます。
現行法では、「沖縄の地理的及び自然的特性を考慮し」という一文はあるものの、条件不利性解消のための具体的文言は書き記されておりません。
改正案では、国および県などに対し、「流通条件不利性を解消するため」と文言を書き加えて、県外へと出荷する県産農林水産物の輸送費を補助する旨を規定します。
これにより、条件不利性解消を目的とした補助制度のための予算を確保し、恒常的に輸送費を補助することが可能となります。


現行法
(施策における配慮)

第2条
国及び地方公共団体は、沖縄の振興に関する施策の策定及び実施に当たっては、沖縄の地理的及び自然的特性を考慮し、並びに産業活動及び住民の生活における基礎条件の改善、沖縄固有の優れた文化的所産の保存及び活用、環境の保全並びに良好な景観の形成に配慮するとともに、潤いのある豊かな生活環境の創造に努めなければならない。

改正案(一部抜粋)

第69条
2 国及び地方公共団体は、遠隔地による流通条件不利性を解消するため、県内に生産又は出荷の拠点を有し、県産農林水産物を出荷する団体等(以下「出荷団体」という。)に対して、本土に出荷される県産農林水産物の輸送等に係る費用の一部または全部を補助するものとする。なお、対象となる出荷団体については、政令等で別に定める。

“スクラップ&ビルド” ━「変革」へのチャレンジ

下地ミキオのイベントスケジュール

地銀再編で県民生活をもっとサポート!

合併や統合等の再編を行う地方銀行に対し、システム統合費用の補助や税制の優遇措置を創設します。
現行法に規定はありませんが、改正案では、「国および県などに対し、再編を実施する沖縄県内の地方銀行に対して、システム統合費用を補助する旨を規定する」と条文に書き加えます。
これにより、地方銀行の再編を促進し、また、全国の地方銀行よりも高い貸出金利(平成30年末:約0.5%㌽高い)の引下げなどを実現します。


現行法

規定なし

改正案(一部抜粋) (地方銀行の再編促進のための特別措置)

第105条 
2 国及び地方公共団体は、再編を実施する沖縄県内に本店又は主たる事務所を有する地方銀行に対して、システム統合費用の一部または全部を補助するものとする。
3 前項の補助を受ける地方銀行は、再編実施後の5年間、沖縄県内において常時使用する従業員の数が政令で定める数以上であること、また、融資事業を実施する際には、沖縄の住民生活の利便性の向上を勘案し、相応の利率を適用しなければならない。


中小企業のデジタル化を支援!

現行法に規定はありませんが、今後の企業活動におけるデジタル化は急速に進みます。
しかし、大企業ほどの経営体力がない中小・零細企業において、デジタル化に対応しながら経営を維持することには、多大なコストがかかります。
そのことを踏まえて、改正案には、沖縄の中小企業におけるデジタル環境の整備促進等を通じた中小企業の振興及び労働環境の改善を図るため、雇用の増加やデジタル投資、事業所内育児施設の整備を実施する中小企業に対して、課税の特例を適用する旨を規定し、条文に書き加えます。
また、本振興計画期間における沖縄の中小企業の振興を図るための固定資産税等の課税の特例の適用についても規定し、支援していきます。


現行法

規定なし

改正案(一部抜粋)

第82条
沖縄の中小企業の振興及び労働環境の改善を図るため、次の各号に相当する場合には、課税の特例の適用があるものとする。
一 従業者数を一定期間、一定程度増加させた場合
二 5G等の高度情報通信ネットワーク対応設備に投資した場合
三 育児への支援となる事業所内施設を整備した場合
2 沖縄の中小企業の振興を図るため、本振興計画期間中においては、沖縄の中小企業について、事業税、不動産取得税、固定資産税その他の課税の特例の適用があるものとする。


沖縄における農業の生産性向上及び物流の整備促進

現行法では、農業の振興については、資金の確保及び助言・指導等の実施の2つに関する条文しか存在しません。
改正案では、農業の生産性や物流環境向上のための設備投資減税を創設することを条文に書き加えます。
そして、県産品輸送費への補助と設備投資減税を組み合わせることで、「物流農業」時代の新しい沖縄農業を推進します。


現行法

第60条
国及び地方公共団体は、沖縄振興計画に基づいて行う農林水産業の振興のための事業の実施に関し、必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。
第61条 
国及び地方公共団体は、沖縄の特性に即した農林水産業の振興に資するため、農林水産業者その他の関係者に対する助言、指導その他の援助の実施に努めるものとする。

改正案(一部抜粋)

現行法による措置に、「沖縄県産農林水産物の輸送費等への補助」を追加し、さらに 「低温物流網(コールドチェーン)」 「植物工場」 「大規模養豚経営事業」を構成する施設の整備等を行う県内の農林水産業者等に対して、国や地方公共団体による特別な配慮を規定(第68条~第74条)

第73条
 「低温物流網(コールドチェーン)」、「植物工場」及び「大規模養豚経営事業」の用に供する建物、設備等を取得し、又は製作し、若しくは建設し、及びその敷地である土地を取得する沖縄県内の農林水産業者その他の関係者等に対しては、租税特別措置法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。


免税店をスクラップ&ビルド!

現行法の第26条では、政令においては免税店制度の上限額は「1人20万円」と規定されています。
改正案では、免税店制度の上限額を「一人20万円」から「一人100万円」に引き上げるとともに、消費税等についても免税とすることで、観光消費額の増加を図っています。


現行法(一部抜粋)

第26条
沖縄から出域する旅客が個人的用途に供するため旅客ターミナル施設等において購入する物品等であって、当該旅客により携帯して沖縄以外の本邦の地域へ移出されるものについては、関税暫定措置法で定めるところにより、その関税を免除する。

改正案(一部抜粋)

第31条(略)
なお、関税暫定措置法第14条に規定される関税を免除する「政令で定める金額の範囲内」については、一人当たり百万円を上限とするものとする。
2 旅客ターミナル施設等及び特定販売施設については、沖縄における観光振興を促進するため、本振興計画期間内において、面積要件の緩和を図るとともに、沖縄島、宮古島、石垣島におけるそれら施設等の指定に当たっては特別の配慮をするものとする。
3 第一項の関税の免除の適用を受ける場合には、租税特別措置法で定めるところにより、内国消費税、酒税、たばこ税その他の課税の特例の適用があるものとする。


道路インフラをスクラップ&ビルド!

現行法では、道路網の整備促進について明記している規定はありません。
改正案では、国および県などに対し、沖縄における道路網の整備促進等を求める旨を規定して、沖縄の振興に不可欠な道路網の整備を促進するとともに、高規格幹線道路(那覇空港自動車道・沖縄自動車道)と那覇新都心や広域交通拠点(那覇空港、那覇港等)との連絡・連結機能を最大限発揮するために必要な地域高規格道路の延伸等を含めた整備計画を策定します。


現行法

規定なし ただし、道路の新設、改築及び修繕に係る国の補助率を「10分の9.5以内」(国以外の者の行う事業にあっては「10分の9以内」)としている。

改正案(一部抜粋)
(交通の確保等)

第100条
4 国及び地方公共団体は、沖縄における道路網の整備を促進するため、本振興計画期間中に、地域高規格道路の整備計画を策定し、その整備を行うよう努めるものとする。


都市公園も、民間活力をどんどん活用!

現行法では、都市公園での整備促進について明記された規定はありません。
改正案では、国及び県等に対し、都市公園及び公園施設の整備促進等を求める旨を規定して、都市公園の整備を促進します。
また、民間事業者のノウハウを取り入れるなど、まちの賑わい創出、防災拠点としての公園、都市環境の保全、都市のシンボル・風格の形成等、都市公園が有する多様な機能を引き出す施策を実施し、都市公園のストック効果(※)の向上を図っていきます。

※ストック効果とは・・・
整備された社会資本(社会インフラ)が十分に機能することによって生み出される中長期的な経済効果を指します。


現行法

規定なし
ただし、都市公園の整備に係る国の補助率を「10分の5以内」としている。

改正案(一部抜粋)
(都市公園の整備促進)

第93条の4
国及び地方公共団体は、沖縄における良好な都市環境を確保するため、都市公園法(昭和31年法律第79号)第2条第1項第一号に規定される「都市公園」及び同法第2条第2項に規定される「公園施設」の整備について適切な配慮をするものとする。
2 前項の整備のため、国及び地方公共団体は、必要な公共施設の整備及び資金の確保その他の援助に努めるものとする。
また、都市公園の整備に係る国の補助率を「10分の9.5以内」としている。


観光・情報通信・金融等の分野の専門学校等の整備

本条は、当初の政府案には盛り込まれておりませんでした。
しかし、2012年の振興法見直しの際、国民新党の幹事長として、政権与党であった私が条文に書き加え、衆議院での修正により新設されました。
本条を根拠として、沖縄の観光や情報通信分野の専門学校に進学した学生に沖縄独自の給付型奨学金が実施され、令和2年度までに約500人(見込み含む)に給付されています。
改正案では、法律の条文に「沖縄において、観光、情報通信、金融等の沖縄の振興のために必要とされる教育等を行う大学、専門学校その他の教育研究機関」と書き込むことで、更なる整備及び教育の充実を実現しようと考えています。


現行法(一部抜粋)
(人材の育成等)

規定なし
第83条の2
国及び地方公共団体は、観光、情報通信、金融等の沖縄の産業の振興のために必要な分野における高度な知識又は技術を有する人材の育成及び確保のための措置並びに起業を志望する者に対する支援のための措置を講ずるよう努めるものとする。

改正案(一部抜粋)

◎現行法の規定に加えて、
2 国及び地方公共団体は、前項の目的を達成するため、国際的視点に立った高度な人材の育成に資することを目的として、沖縄において、観光、情報通信、金融等の沖縄の振興のために必要とされる教育等を行う大学、専門学校その他の教育研究機関の整備及びその教育等の充実のために必要な措置を講ずるものとする。


沖縄科学技術大学院大学(OIST)の改革

現行法では、OISTの沖縄振興等への貢献について明記している規定ありません。
改正案では、OIST等の研究開発の目的に「豊かな住民生活の実現への貢献」を追加するとともに、OISTの沖縄振興への貢献等についての評価制度を創設し、国費投入の在り方についても適時判断を行うと書き加えています。
これにより、OISTの研究なども、より沖縄振興に資することが可能となります。


現行法(一部抜粋)
(科学技術の振興等)

第85条
2 国及び地方公共団体は、沖縄における研究機関及び研究開発を行う事業者の集積並びに科学技術に関する国際的な拠点の形成を図るため、国立大学法人琉球大学の設置する琉球大学、沖縄科学技術大学院大学その他の研究機関と事業者その他の関係者との間の連携の促進その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

改正案(一部抜粋)
(科学技術の振興等)

第94条 
3 前項に掲げる沖縄における研究機関、特に沖縄科学技術大学院大学による研究開発等については、沖縄の振興及び自立的発展並びに豊かな住民生活の実現に貢献するよう努めるものとする。
4 前項の沖縄の振興等への貢献について、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)、内閣府沖縄担当部局、沖縄県及び県内各市町村及び国会における特別委員会などから構成される評価委員会等による評価制度を創設し、評価結果に基づいて国費投入の在り方等の判断を行うものとする。

“新しい社会を築く” ━「ポストコロナ」へのチャレンジ

沖縄における感染症検疫・検査体制の確保

現行法では、沖縄における感染症検疫・検査体制の確保について明記している規定はありません。
改正案では、国および県などに対して、医療機関での検査体制の構築、感染拡大地域の医療機関等への補助、空港・港湾等における入国・入域時の確実な検疫体制整備等を促進する旨を規定します。
これを条文に書き加えることで、「安心・安全な沖縄」が実現できます。


現行法

規定なし

改正案(一部抜粋)

第108条 
国及び地方公共団体は、島しょ県という地理的条件不利性を抱える沖縄において、県の社会経済に重大な影響を及ぼすおそれのある感染症(重大感染症)に対する検査体制の充実等を図るため、地域の医療機関での簡易・迅速な検査体制の構築、感染拡大地域等の医療機関等への財政的支援、医療従事者・高齢者施設従事者等を対象とする一斉・定期的な検査の実施等の県内の医療提供体制の確保・充実のための環境整備について適切な配慮をするものとする。
2 国及び地方公共団体は、国際的な人の往来に係る検査能力・体制の拡充を図るため、沖縄の空港・港湾等における入国時の確実な検疫体制の確保に努めるものとする。


沖縄県内における国際空港の合併促進

現行法では、国際空港の合併促進について明記している規定はありません。 改正案では、国および県などに対して、空港合併等を実施する沖縄県内の空港の経営体等に対して、空港合併などにかかわる費用を補助する旨を規定しています。 これにより、空港経営の民営化等を促進し、空港経営の効率化と地域経済への貢献を実現します


現行法

規定なし

改正案(一部抜粋)

(沖縄の空港合併等の促進のための特別措置)
第100条の2 国及び地方公共団体は、沖縄の住民生活の利便性の向上、産業振興に向けた基盤整備等を図るため、ものとする。那覇空港、宮古空港、石垣空港、下地島空港等の国際級拠点空港の経営体等の合併や統合及び空港運営の民営化等(以下「空港合併等」という。)について適切な配慮をする 2 国及び地方公共団体は、空港合併等を実施する沖縄県内の空港の経営体等に対して、空港合併等に係る費用の一部または全部を補助するものとする。


世界レベルの富裕層向け高級ホテルの誘致促進

現行法では、世界レベルの富裕層向け高級ホテルの誘致促進について明記している規定はありません。
改正案では、「沖縄国際ラグジュアリーホテル」の建設等に対して、税制や沖縄振興開発金融公庫による融資の優遇措置を適用する旨を規定します。
これにより、消費額の大きい富裕層の来訪を促すとともに、富裕層に選ばれることによる地域のブランド化やモノ・サービス産業の高付加価値化という波及効果をもたらして、沖縄経済の活性化、県民所得の向上へとつなげていきます。


現行法

規定なし

改正案(一部抜粋)

第12条 
この法律で「沖縄国際ラグジュアリーホテル」とは、政令で定める要件を満たしたものとして内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)または沖縄県知事が認定したホテルをいう。(要件の例)

  1. 沖縄県に所在し、関係条例に適合するホテル
  2. ・基準客室(洋室、100㎡以上):15室以上 のこり70 ㎡以上
    ・館内WI-FI環境、外国人観光旅客に対応した館内表示
  3. 外国人観光旅客に対応した接遇主任者(3年以上の接客業務経験及び外国人に対応できる語学能力)の選任
    ※県内の大学、短大、専門学校等の履修者には優遇措置

沖縄観光リノベーション支援事業

現行法では、既設ホテルの改修・修繕等の促進について明記している規定はなく、また、現在の県の補助制度では、耐震化やバリアフリーといった特定の目的に沿うものしかありません。
改正案では、観光立県である沖縄ならではの大胆な特別措置を必要と考え、少なくとも今後10年間の計画修繕の費用については、不安を抱くことなく事業展開できるようにすることで、既設ホテルの資産価値を維持向上し、沖縄の観光地としての魅力も保てるようにします。
また、これらの動きは持続可能な不動産、いわば「不動産のSDGs」に貢献することにもつながり、現在の時代の潮流にも見合うことになります。


現行法

規定なし

改正案(一部抜粋)

第12条
この法律で「沖縄国際ラグジュアリーホテル」とは、政令で定める要件を満たしたものとして内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)または沖縄県知事が認定したホテルをいう。
(要件の例)

  1. 沖縄県に所在し、関係条例に適合するホテル
  2. ・基準客室(洋室、100㎡以上):15室以上 のこり70 ㎡以上
    ・館内WI-FI環境、外国人観光旅客に対応した館内表示
  3. 外国人観光旅客に対応した接遇主任者(3年以上の接客業務経験及び外国人に対応できる語学能力)の選任
    ※県内の大学、短大、専門学校等の履修者には優遇措置

医療ツーリズムの誘致促進

現行法では、医療ツーリズムの誘致促進について明記している規定はありません。
改正案では、「沖縄医療ツーリズム(仮称)」は、外国人観光旅客に対して、医療サービスの提供を行うものであり、対象となった外国人観光旅客は、滞在型の観光その他のサービスを受けながら、併せて医療サービスの提供も受けることになると規定します。
また、「沖縄医療ツーリズム(仮称)」に対しては税制等の優遇措置を適用する旨を規定しており、これにより、沖縄観光の重層化を図ります。


現行法

規定なし

改正案(一部抜粋)

第20条
この法律で「沖縄医療ツーリズム」とは、外国人観光旅客に対し、沖縄県内に所在する医療機関等を拠点として、その医療サービスを提供する事業のうち沖縄の振興及び自立的経済の発展等に資するものとして内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)または沖縄県知事が認定した事業のことであり、「沖縄医療ツーリズム事業認定事業者」とは、「沖縄医療ツーリズム」を実施する事業者をいう。

“世界共通の課題” ━「SDGs」へのチャレンジ

沖縄発脱炭素社会の実現-石炭からバイオマスへ

「2050年までの脱炭素社会の実現」に向けて、現行の規定を変える必要があります。
改正案では、SDGsの理念の下、沖縄における「2050年までの脱炭素社会の実現」を目指し、再生可能エネルギーの導入拡大や二酸化炭素排出量の少ない発電への転換を促進していきます。


現行法(一部抜粋)

第63条
国及び地方公共団体は、電気事業の用に供する設備であって沖縄における電気の安定的かつ適正な供給の確保に特に寄与すると認められるものの整備につき、必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。この場合においては、環境の保全に特に寄与するものと認められる電気事業の用に供する設備の整備が図られるよう配慮するものとする。

改正案(一部抜粋)

◎再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマス等)による発電設備の建設だけでなく、既設の化石燃料(原油、石炭等)による発電設備の改修にも税制や公庫の融資の優遇措置を適用
◎国及び地方公共団体に対し、沖縄のガソリンスタンド事業者の廃業や事業承継対策に関する支援措置を講じるよう規定


沖縄県内における鉄軌道整備の実現

鉄軌道については、現行法では「その整備の在り方についての調査及び検討を行う」と規定されています。
改正案では、国及び県等に対し、本振興計画期間中に、鉄軌道の整備を行う旨を規定します。
これにより、観光等産業の振興だけでなく、運輸等の電化を進めることで、SDGsの理念の下、沖縄における「2050年までの脱炭素社会の実現」を目指します。


現行法
(交通の確保等)

第91条
2 国及び地方公共団体は、沖縄における新たな鉄道、軌道その他の公共交通機関に関し、その整備の在り方についての調査及び検討を行うよう努めるものとする。

改正案(一部抜粋)
(交通の確保等)

第100条 
2 国及び地方公共団体は、沖縄における新たな鉄道、軌道その他の公共交通機関に関し、本振興計画期間中に、その整備を行うよう努めるものとする。

“沖縄の夢を実現” ━「未来」へのチャレンジ

宇宙旅行事業の実現に向けた施設等整備の促進

現行法では、観光に関する地域制度については規定されていますが、目玉となる観光政策は示されてはいません。
改正案では、「宇宙旅行事業」は、航空機による宇宙旅行の実現だけでなく、 機体の開発、格納庫等の整備、実験・訓練の実施、周辺観光も含めた事業として書き加えており、高率補助や税制及び沖縄振興開発金融公庫による融資の優遇措置を適用する旨を規定しています。
この「宇宙旅行事業」を沖縄における新たな産業創出のモデルケースと位置付け、沖縄観光の可能性をさらに高めるとともに、沖縄経済の活性化、県民所得の向上につなげます。


現行法(一部抜粋)
(観光地形成促進計画の作成等)

第6条
沖縄県知事は、国内外からの観光旅客の来訪の促進に資する高い国際競争力を有する観光地の形成を図るための計画を定めることができる。

改正案(一部抜粋)
(「宇宙旅行事業」の定義)

第33条 
この法律で「宇宙旅行事業」とは、沖縄県内に所在する空港を拠点として、航空機等による宇宙旅行の実現や、その目的のための機体等の開発、格納庫等の整備、実証実験・訓練等の実施、関連する観光事業等の実施等のうち沖縄の振興及び自立的経済の発展等に資するものとして内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)または沖縄県知事が認定した事業のことであり、「宇宙旅行事業認定事業者」とは、「宇宙旅行事業」を実施する事業者をいう。


小型無人機等(ドローン)の利活用

現行法では、小型無人機等の利活用について明記している規定はありません。
改正案では、沖縄の労働生産性の向上や企業収益力の強化を目的として、ドローンの利活用を促進するための補助制度やドローンを操縦する人材の育成支援等を創設すると条文に書き加えます。
あわせて、それらの補助を受けたドローンを災害時には行政が緊急利用できるようにすることで、災害対応力の強化等も図っていきます。


現行法

明記している規定はナシ

改正案(一部抜粋)
(小型無人機等の利活用)
第107条

第107条 
2 国及び地方公共団体は、沖縄の労働生産性の向上や企業収益力の強化を目的として、沖縄において主として産業の振興、社会資本の整備等の用に供する小型無人機等の利活用について適切な配慮をするものとする。
◎前項の目的を達成するため、
・小型無人機等の利活用を行う事業者に対し導入費用を補助
・小型無人機等の飛行に係る人材育成に必要な援助やこれらの援助を受けた事業者に対し行政による災害時の緊急利用等に関する協定等を締結することなどを規定。


沖縄における5G通信網の整備促進

現行法では、5G以降の次世代移動通信システムについては規定されていません。
改正案では、沖縄の全ての地域で情報格差を完全に解消することをめざし、世界とのコミュニケーションをより身近なものへと変えていくために、様々な分野(ICT教育、遠隔医療、テレワーク等)の「可能性」を生かします。
「高速・大容量・低価格」の通信網整備は、コロナ後に取り組むべき最も重要な政策の一つであると考えます。


現行法

第92条の2 国及び地方公共団体は、沖縄における住民の生活の利便性の向上、産業の振興、医療及び教育の充実等を図るため、情報の流通の円滑化及び高度情報通信ネットワークその他の通信体系の充実について適切な配慮をするものとする。

改正案(一部抜粋)

第101条の2 国及び地方公共団体は、沖縄における住民の生活の利便性の向上、産業の振興、医療及び教育の充実等を図るため、情報の流通の円滑化及び高度情報通信ネットワーク、特に、第5世代移動通信システム(5G)以降の次世代移動通信システム(以下「新世代移動通信システム」という)その他の通信体系の充実について適切な配慮をするものとする。
◎また、「新世代移動通信システム」のための基地局等の整備に係る国の補助率を「10分の9.5以内」としたほか、国及び地方公共団体に対し、整備のために必要な資金の確保及び公共施設の整備に努めることを規定


ミキオポスト | 前衆議院議員下地ミキオオフィシャルサイト

スーパーシティ構想を活用した駐留軍用地跡地利用

現行法では、「駐留軍用地跡地の利用」については、「跡地利用特措法の定めるところによる」と規定されています。
改正案では、国に対し、スーパーシティ型国家戦略特区への指定を遅滞なく行うよう規定するとともに、「借地契約期間を100年」にして、所在地方公共団体が国から土地を先行取得できるようにすることによって、駐留軍用地跡地の一体的な開発を促進しようと考えています。


現行法

第95条 駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置については、沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法の定めるところによる。

改正案(一部抜粋)現行法

第110条 内閣総理大臣は、関係市町村の長が、駐留軍用地跡地の開発整備に際し、当該跡地を含む地域について国家戦略特別区域法に基づき先端的区域データ活用事業活動の実施の促進を図るべき区域への指定を要請する場合には、沖縄の自立的発展の実現を支援する観点から遅滞なくこれを指定するものとする。
◎このほか、跡地利用特別措置法(借上げ返還地の指定等を規定)、借地借家法(借地契約期間100年等)を立法措置する。


香港等からの金融機関等の誘致促進

現行法では、現行の経済金融活性化特区は、地区も限られ、ほとんど利用されていません。(これまでの特区における優遇税制の適用件数は、年平均5件程度)
改正案では、成果の出ていない経済金融活性化特区を廃止し、県内全域を対象として雇用や出資の促進、海外金融資産の沖縄への集積を図る国際金融特区を創設します。(香港市場の銀行資産は約2兆ドル、株式時価総額は約5兆ドル)


現行法(一部抜粋)
(経済金融活性化特別地区の指定)

第55条
内閣総理大臣は、沖縄県知事の申請に基づき、沖縄振興審議会の意見を聴いて、産業の集積を促進することにより沖縄における経済金融の活性化を図るため必要とされる政令で定める要件を備えている地区を経済金融活性化特別地区として一を限り指定することができる。

改正案(一部抜粋)
(国際金融特別地区の指定)

第64条
内閣総理大臣は、(中略)国外の金融資産の沖縄への集積を促進することにより沖縄における経済金融の活性化を図るため(中略)要件を備えている地区を国際金融特別地区として指定することができる。
◎国際金融特区内に主たる事務所を有する外国法人のうち、
 ①常時使用する従業員の数が一定数以上
 ②沖縄県内の事業者に対する相応の出資の実績
がある場合は課税の特例の適用を受けることができる。


沖縄文化の継承

現行法では、沖縄文化については、保存、活用及び振興に関する規定はありますが、具体的な施策は示されていません。
改正案では、国及び県等に対し、沖縄における伝統文化、芸術、芸能及び伝承技術等の継承・発展に取り組むことを規定しています。
また、具体的な施策として人材育成等に係る補助や税制の優遇措置を創設し、これまでの沖縄の歴史が作り上げてきた魅力を継承しつつ、新たなソフトパワーの源としての活用も進めていきたいと考えています。


現行法(一部抜粋)

第84条
国及び地方公共団体は、沖縄において伝承されてきた文化的所産の保存及び活用について適切な措置が講ぜられるよう努めるとともに、地域における文化の振興について適切な配慮をするものとする。

改正案(一部抜粋)
(国際金融特別地区の指定)

第93条(略) 
2 国及び地方公共団体は、沖縄における伝統文化、芸術、芸能及び沖縄において伝承されてきた技術等の継承・発展に取り組むこととし、人材育成その他の支援に必要な資金の確保や課税の特例の適用等の措置を講ずるものとする。

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