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半導体戦略から見る経済成長

(2023年5月19日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)


「世界経済がよくなる」⇒「日本経済が元気になる」⇒「企業の売り上げ収益が伸びる」⇒「所得が向上する」

政治は、この好循環によって一人ひとりの生活が豊かになるという考え方の下で、これまで「制度」「税制」「補助金」などの経済政策を実施してきましたが、日本のGDPは成長せず、個人の所得も上がらず、「失われた30年」とも揶揄されるような国になってしまいました。

岸田総理大臣は18日、半導体分野での経済安全保障の強化に向けて、IntelやTSMC、Samsungといった半導体大手との意見交換会を官邸で開催し、「日本政府として補助金による支援体制を行うので日本への投資をお願いしたい」という主旨の要請を行いました。

私は、この光景に違和感を覚えています。

半導体分野を強化するために日本政府が行うべきは、国内企業の投資を促し、それを「補助金」や「税制」でサポートしていくことであり、この分野で海外企業を誘致する必要はないと考えているからであります。

半導体をはじめとする安定したサプライチェーン構築のためにはまず、「日本の輸出産業」を伸ばすことが重要であり、日本企業が中核を担って半導体を製造し、その半導体を活用した製品を世界へ輸出することが必要なのです。

台湾の半導体メーカーであり、技術力世界トップを誇るTSMCは、熊本に半導体製造工場を建設中でありますが、半導体の微細化を示す基準(数値が小さいほど優れている)では、TSMC熊本工場で生産される製品は27ナノであります。

また、トヨタ自動車やNTT、ソニーグループなどが出資する「Rapidus(ラピダス)」は、先端半導体の国産化をめざして北海道に工場を建設しますが、日本国内では40ナノの製造で足踏みしているなかで、一気に2ナノの半導体製造を目指すようです。

TSMCは、27ナノの工場を海外に建設することはあっても、3ナノの半導体製造を台湾国外で行うことはありません。

つまり、海外企業が日本に投資しても、2ナノ、3ナノの半導体が製造されることはなく、結局、最先端の半導体製造は海外企業頼りになってしまうという本末転倒な状況が生まれるのです。

それだけに、冒頭に書いた好循環のシナリオを日本が再びつくるためには、「基礎的なサプライチェーンを国内企業が構築すること」が重要だと私は考えております。

半導体分野において日本が世界のトップに躍り出れば、スーパーコンピューターをはじめとして、世界の経済をリードすることが可能となり、「GDP1000兆円規模の成長」「東京都並みの個人所得を全ての自治体で実現」も決して不可能ではありません。

いま政治は、経済の成長を促すための「制度」「税制」「補助金」の3つのあり方に加え、民間と個性を活かすための「規制緩和」を採りこんだベストミックスをつくらなければいけません。

そのためには、“既存の制度”と“既存のやり方”を、徹底的に変えていかなければいけないのです。

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