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『身内』から出たさび

(2023年6月2日にメールマガジンにて配信された内容を転載しています)

岸田総理大臣の長男・岸田翔太郎氏が昨日、首相秘書官を更迭されました。

岸田総理は、「去年の年末に総理大臣公邸の公的なスペースで親戚と写真撮影するなど、不適切な行動をとった責任を取らせたい」としていますが、この出来事は今後の政局に大きな影響を及ぼすこととなりました。

一つには、G7広島サミット以降、岸田内閣の支持率は上昇したものの、この出来事が支持率の足を引っ張ることになったこと。

二つ目に、自民党と公明党との選挙区調整において、この出来事によって、自民党が優位な立場で調整をすることができなくなったこと。

三つ目に、「通常国会閉会日の6月21日解散、7月11日公示、7月23日投開票」という、総選挙直前の7月8日に一周忌を迎える安倍元総理の「弔い票」を狙うというシナリオが、完全に崩壊してしまったこと。

四つ目に、総理の身内が政局に影響を及ぼしたことで、自民党内の“反岸田派”が狼煙をあげるきっかけをつくってしまったこと。

「一寸先は闇」という言葉がありますが、G7広島サミット以降、岸田総理は、このような事態になるとは思ってもいなかったでしょう。

歴代総理の親族が政局に大きな影響を与えた事例は、「菅元総理の長男が絡んだ総務省幹部接待疑惑」「森元総理の息子による酒気帯び運転」等、これまでも幾度となくありました。

このように、親族のスキャンダルによって政局が動くことを考えれば、国民は決して、政治の本質である「政策で政治家をジャッジする」のではなく、「公私にわたる全てを見ながらジャッジしている」のです。

G7広島サミットにおいて、岸田総理は、平和の願い、核廃絶への強い思いを、効果的に世界へアピールすることに成功し、ゼレンスキー大統領の訪日は、世界中から注目を集めました。

NHKの調査によると、昨年11月に33%まで下がっていた岸田内閣の支持率は、5月時点で46%と、回復傾向にありました。

今回の長男の更迭劇が、支持率の上昇に一気にストップをかけたかどうかは、しっかりと分析する必要があると思います。

一つ目に、2022年10月、首相秘書官に起用された岸田翔太郎氏の、女性記者への情報漏洩報道。

二つ目に、今年1月、岸田総理とともに欧米5ヵ国を外遊した際、現地大使館の公用車を使った観光疑惑報道。

今回の総理公邸で親族と記念写真を撮るなどの不適切な行動は、3度目であります。
国民は、「一度ならず二度までも」を通り越して、「三度目か!」と呆れ果てているのではないでしょうか。

つまり、今回の更迭が、政局に影響を及ぼすことになったのは、子に対して正しい判断をしてこなかった岸田総理への、国民の失望が表れたと見ることが出来ると思います。

一度目の失態のときに適切な対応ができなかった岸田総理に対する国民からの不信感は、二度目、三度目と増幅され、国民からの厳しい目線は、翔太郎氏へではなく、子に対して甘かった岸田総理へ向いていると解釈すべきです。

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